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創業明治35年(SINCE1902)
黒船屋

[古代百姓族と私たち]

 何の疑いもなく百姓といえば農業と思うのが普通です。
でも百姓の文字や言葉に不思議を感じた人はおられるでしょう。
百姓とは現代の農家のことではありません。
古代、族集団の総称でしかも技術集団だったのです。
その族とは集団の長(おさ)がいて日本固有の宗教神道により統率され、自給自足の文化をもった民のことです。
四方海の砦に囲まれ、豊かな自然に恵まれた日本国には各地にこうした族集団があり、曲りなりにも平和な暮らしがありました。
族集団の一人一人は凡て生きる術(すべ)を身につけ、互いに助け合いそれぞれに得意な仕事に従事しました。
それは、木工を細工できるものは大工、鉄を操れるものは鍛冶職、漁が得意のものは漁師に、糸を紡ぎ機を織り、地を耕し在る者は物売り(商業)とそれぞれの役割を担った文化をつかさどり、いざ!ひとたび異(こと)が起きれば一団となり蜂起する民族でした。
 古代神道とは古事記からも読み取れるように朝廷(王朝国家)が都合良く作り上げた現代神道とは違い、神とは心のよりどころ、たましい、精神のことで人力でははかり知れない霊妙な働きを信仰するものでした。
 春の芽吹きから始まり秋の収穫、冬の雪、雷(いかずち)季節をとおしてあらゆる恵みや災い(わざわい)も神として祭り、火の神、水の神、山の神、鬼神、神様は生活のあらゆる所に住まい私達日本人の心に宿るよりどころでした。
このほか、地の神、かまどの神、トイレの神、草の神、木の神,猿も狸も狐も蛇もカラスも日本にはさまざまな神々が住まい同居していました。
今日でも多くの家に神々を祭る神棚があることからもうかがい知ることが出来ます。
古代から日本人の精神に宿る信仰はそうした自然界から発生する万物の生命への敬虔な畏敬でした。
罪悪は許されるものでは有りませんし、それ相応の償いをしなければなりませんが償うのはその張本人で一族郎党まで波及させては民主主義ではありませんから、罪悪非道な者でも死んだら罪から解かれ浄化されて星になる、けっして地獄へという仏教思想では有りませんでした。
 天の星屑へ、神としてしまうのも古代神道から発生している思想です。
生きるものへの許しと、哀れみ、知恵、だったのではないでしょうか。
石川五右衛門、鼠小僧、近代でも沢山の悪党どもが神に祭られているのも日本の信仰、生きぬくための知恵でありました。
 強者は弱者を救え!古代から日本人は民主主義者だったのです。
しかし、平和な百姓文化は中国から朝鮮(韓国)をへて日本に仏教が伝来されると朝廷(王朝貴族)は強力な朝鮮文化、政治のまえに国家統一の覇権を強力に推し進めました。
朝廷が作り上げた幕府により、花開きかけた各地の百姓族の文化はたび重なる執拗な攻撃にことごとく解体分散されてゆくのでした。
金太郎(坂田の金時)が兵を率いてほろぼした蘇我入鹿も百姓一族の長であり平安な族社会を形成していましたが政の中に没してしまうのでした。
治世の歴史というものはこうしてその時代を統治するものに都合良く塗り替えられてしまうものなのです。
つい昭和の時代まで農家の人々が田畑を耕すばかりでなく、鍛冶が出来、機を織り、家を建て、紙を漉き、麹を作り酒や酢を醸造と何でも出来た事がまぎれもない百姓の証明であり本物の日本文化の姿でした。
 私達大多数の日本人はそうした百姓たちの末裔だったはずです。
 古代から脈々と口伝えや、徒弟制度から、家から家に人からひとへと伝えられた日本人の精神文化や伝統技術は時代がどのように変貌しようと今日まで受け継がれてきた事実はこれからも日本民族の血として受け伝えられると思います。



さて、わが国固有の信仰を持ち本当は大変信仰が厚いはずなのに、そのことに気付かず忘れている日本人。他国の宗教に寛大にもかかわらず、外国人に無宗教者と軽べつさえされます。それはさまざまな理由によりますが、日本人が礼節にかけ作法を忘れているところに起因します。日本人がどれほど信仰心が厚いかは全国に広がる神社やお宮からも理解できますが、他国から軽く扱われ、干渉されない国にするためには日本人一人一人が自信と誇りを持ち節度と礼儀作法をしっかり身に付け確実な発言をすることです。礼儀作法はしつけのことですから家庭,両親が教え込まなければ身に付きません。学校で習うものではなく子が産まれた時から夫婦の会話や態度から自然に身に備わるものです。その上で社会のしきたりを躾(しつけ)る、両親の役目です。傲慢や下品ほど恥ずかしいものはありません。のびやかな気高い家庭、国にするのもわたくしたちの責任です。                                      


【無学草人】


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